幾たび 行く旅

星のや東京 桜ダブル

[Data]
Date: Jul.XX.2016
Room: Sakura Double
Booking: Hotel Website Hoshinoya Tokyo

星野リゾートの最上級ブランド「星のや」の国内5店舗目として、2016年7月20日にオープンした「星のや東京」に早速お邪魔してきました。軽井沢、京都・嵐山などのリゾート地にロケーションしてきたこれまでとは異なり、大手町の高層ビル群の中に埋もれるように佇む新しい星のや。そこに広がる「現代を休む日」とは果たして…??

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東京メトロ丸の内線大手町駅のA1出口から徒歩1分、大手町フィナンシャルシティサウスタワーの裏に、周辺とは一線を画したデザインの黒い建物が建っています。そう、”塔の日本旅館”をコンセプトにした「星のや東京」です。何はなくとも駅近というだけで、専用の車や船でアプローチするこれまでの星のやとは全く別物な気がしますが、どうなのでしょうか。
お玄関さんに迎えていただき、青森県産のヒバでできた扉をくぐると、すぐに靴を預かっていただきます。そう、全館畳敷きの「日本旅館」なのです。

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玄関の突き当りの床の間(?)のようなスペースには、四季折々の室礼がなされるようです。外国からいらした方にとっても興味深いかもしれませんね。

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フロントは2Fにありますが、そこは寄らずにすぐに客室階へと案内されます。エレベーターはキーホルダーに内蔵されたICによるタッチ式なのですが、1F・2Fと自分の客室階、そして大浴場がある最上階しか止まらない仕組みになっているのです。
エレベーターを降りると、目の前に「お茶の間ラウンジ」が広がります。1フロア6室の構成ですが、「お茶の間さん」という、いわばこのフロアの宿泊客のコンシェルジュ役の方が常駐しておられます。

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早速、お茶の間ラウンジでチェックインの傍ら、お迎えのおもてなしを受けます。日本酒は(何故か)京都の「澤屋まつもと」、そしてトマトにジュレをかけてさっぱりと仕上げた一品でした。甘味でないあたりが、星野リゾートらしいというか、なかなかに尖ってます。
このお茶の間ラウンジ、自由に飲めるドリンクがあるほか、朝の時間帯はおにぎりとお味噌汁のサービス、そして元麻布「ミカフェート」のコーヒーサービスもあります。ワンフロアを貸し切って仲間内でわいわいやれたら楽しそうですね!そんなニーズにも対応できるようにか、各部屋のドアのオートロックは解除できるようになっています。これはなかなかの優れもの。

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さて、満を持してお部屋に通していただきます。今回は「桜ダブル(41~49m2)」のタイプをチョイス。各フロアのファーストナンバーにあたる角部屋になります。お部屋に入っても靴を脱がない(そもそも履いていない)というのは、案外新鮮で心地よいものです。
中はリビングとベッドルームが一体になったワンルームタイプなのですが。。。あれ???

テレビが置いてある!!!

「星のやにはテレビがありません」は、西洋のサービスと違って、もてなす側のメッセージを打ち出し、敢えて一部のニーズは切り捨てる星野リゾートの哲学を語る上でよく引き合いに出されていたのですが、さすがに東京だとそうもいかなかったようです(因みにこの角部屋の桜ダブルタイプではドドンと置いてありますが、他のルームタイプでは壁に組み込まれ、スモークガラスでテレビがあると分かりづらいように工夫されているそうです)。

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その他、お部屋をぐりぐりと見ていきますが、ミニバー・スナック類もなかなかの充実っぷり。このあたりも他のシティホテル群を意識した内容でしょうか。

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浴室はリビングと大きなガラスで仕切られています。例えばシャングリ・ラ東京よりも大胆に見えちゃいますね(笑)ただ、スモークにして仕切れるのでご安心を!そして浴槽がなかなかの深さで、このあたりは日本旅館っぽいといえばそうでしょうか。但し排水穴が低いところにあって、見た目ほどお湯が貯まらないのが球に瑕。
独立してシャワーブースが設けられていますが、レインシャワー等も特になく、標準的なつくりです。

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クローゼットには滞在着がセットされています。これを着て朝の皇居周辺を散歩することも、ひとつのアクティビティとして奨励されています。少ししたら朝の皇居の風景のひとつになっているかもしれませんね!

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ちなみに、立地が立地だけに窓の外がどうなっているかも気になりますよね。枕元のパネルで電動シェードを操作できますが、開けると向かい側にはフィナンシャルシティのビル。そりゃそうか(笑)
マンダリンオリエンタルやアマンなど、周辺の外資系はこぞって眺望を売りにした施設づくりをしていますが、これはかなり勝負に出たなぁという感じです。

さて、今回は到着したのも20時を回っており、夕食は予約できなかったので、地下の飲食店街に軽く食べに出かけました。
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実は星のや東京の1Fから地下の駐車場階へとつながるエレベーターがあり、B1Fで隣の商業施設の方に出られるようになっています。

今回は知人とともに泊まっていたこともあり、夕食もそこそこに、さっきのお茶の間ラウンジで久しぶりの語らいを楽しみつつ、夜更かししてしまいました。

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日本旅館に欠かせないのはやはり「温泉」。星のや東京の最上階には「大手町温泉」を引き込んだ大浴場が設けられています。早朝で貸し切りだったのでゆっくり湯浴みを…と思ったのですが、ちょっとここはお湯が肌に合いませんでした。というか、鼻を突くようなお湯の匂いが立ち込めていて、息がしづらかった感じです。奥の露天風呂は空気が抜けているので、あまり気にせずに楽しめました。あとで聞いてみると他の人はそうでもなかったというので、このあたりは個人差でしょうか。

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お部屋に戻って朝食をいただきます。「塔の日本旅館」をイメージしたお重をあけると、色とりどりのおかずが並びます(トマトのジュレがけがここにも…というのはナイショ(笑))
釜で炊き立てのご飯が頂けるのは嬉しいサービスです!

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ちなみにお茶の間ラウンジの朝ごはんも気になるので、欲張ってみました。とてもシンプルですが、インバウンドの方にはウケるでしょうかね!頑張って海苔はもっとパリパリにしてほしいところ!
写真右上に写っているのがお部屋の鍵が内蔵されたキーホルダーです。さながら、「この紋所が目に入らぬか~」っと。

今回は金曜日の仕事終わりで泊まりましたが、うだうだしていると気づけばお昼近く、チェックアウトの時刻が迫ってきました。フロントのある2Fに足を運ぶのは最初で最後になります。
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3枚目の写真にあるように、会議室も備えられており、団体での利用、研修などのニーズにも対応できるようです。随分とリッチな研修になりますね!

さて、何だかんだとあっという間の「星のや東京」の滞在でした。全館畳でウロウロできるのは思いのほか気持ちよく、お茶の間ラウンジで気の置けない仲間と過ごした時間も非常に楽しかったです。景色がないこともそんなに気になりませんし、普段テレビがないので、逆説的ではありますが非日常だったかも…(笑)
とはいえ予約サイトを見ると室料は7万円台後半~。それでもこの値段に見合う内容かというと。。。スタッフの方の応対にもまだまだ成長の余地がありそうです。京都や竹富島のようなロケーションのパワーが借りれない分、そちらに目が行きがちでもありますしね!
いずれ、世界中の都市に展開していくのなら、まずはホームグラウンドの日本でしっかりとスタイルを確立する必要があるでしょう。今後の動向が気になる施設です。

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