日本・世界の「おもてなし」を訪ねて Luxury Stays and Flights around the World
[Data]
Date: Feb.19.2017
Room: Room type G
Booking: Hotel Website
山口県長門市にある老舗名門旅館「大谷山荘」。その別館として2006年にオープンしたのが「別邸音信」です。温泉街を流れる音信川(おとずれがわ)の名を冠した18室のスモールラグジュアリーな日本旅館は、オープン以来各種媒体にも盛んに取り上げられ、山口県はもとより中四国地方でもトップの高級旅館として注目されています。昨年は日露首脳会談に際してプーチン大統領が訪れたことでも一躍話題になりました。
かねてから私のウィッシュリストの上位にあったのですが、今回晴れてお邪魔することができました。お値段もなかなかですが、閑散期の2月の日曜日で、なおかつ長門市のふるさと納税で頂けるコンベンション協会加盟旅館の宿泊券という裏技も駆使して、堪能して参りました!
チェックインは、国道316号線に面した「別邸音信」専用の門から。車を降りた瞬間から、XXX様と名前で呼んでのお出迎え。いきなり唸らせてくれます。この後も、名前で呼んでいただける場面が随所で見られ、徹底されているんだなと感銘を覚えます。
門をくぐると、アイコニックな水盤をぐるっと回り込む形で建屋へ。エントランスで靴を脱いで、館内は裸足で歩けるつくりになっており、これもまたほっとさせてくれる要素です。
チェックインの手続きの前には「一峰庵」と名付けられたお茶室に通され、お抹茶のおもてなしを受けられます。外からの躙り口は実際には使われてはいないようですが、立派なつくりです。
エントランスやロビーなど、随所に坪庭を望むようにソファが設えられており、気の向くままに談笑を楽しむことができます。
大きな旅館のようなレセプションカウンターはなく、代わりにコンシェルジュデスクのような形で設えられています。宿帳の記入やいろいろな相談は全てこちらで。
ロビーの大内雛も可愛らしいですね。
案内係りの方に、早速お部屋に通して頂きます。2階が6室、3階が12室の計18室というこぢんまりしたつくりですが、この18室の宿泊客のためだけに温泉、バー、レストラン、フィットネスなどが整っている訳ですからいかに贅沢かが分かります。3階はメゾネットタイプの客室ですので、天井も広々です。
ちなみに、2基あるエレベーターの籠の中まで畳敷きというこだわりよう。館内では琉球畳が多用されているみたいです。
今回のお部屋は3階のGタイプ。1階はベッドルームとバスルーム、そしてベランダに客室露天風呂とソファー。2階はリビング兼ホームシアターになっています。Fタイプがダブルベッド、Gタイプがツインベッドで、あとは共通のつくりのようです。
リビングの一角にあるカトラリー類とミニバー。シンプルながらひとしきりのものは揃っています。冷蔵庫内のドリンクがコンプリメンタリというのも嬉しいサービス。また地場の夏蜜柑を丸ごと使ったジュレがウェルカムスイーツに用意されており、これがとても美味しいです。
2階のホームシアターはもちろんですが、1階のテレビ周りも含め、AV機器が非常に充実しています。最近あまり見かけないDENONのプレーヤーとiPhoneをUSBで接続してJAZZを流していました。
高級温泉旅館の醍醐味は、やはりお部屋のプライベートな露天風呂。音信川とは反対ですが、誰にも邪魔されずにゆったりと湯浴みを楽しめます。常時出ている温泉に、お好みで加水して温度調整できるようになっています。
夏は隣のソファで湯上がりの夕涼みなんて、最高ですね。冷蔵庫のビールも気兼ねなく飲めますから言うことなしです。
お部屋には内風呂(温泉ではなさそう)とシャワーブースも取り付けられていますが、流石に使う人は少ないのでは?という気がします。シンクはダブルで余裕のあるつくりです。
タオル類は、ベランダのお風呂で使うものも含めて全てこちらにセットされていますが、もう少し厚手のふわふわのものがあると尚よしですね。
ひとしきり部屋を見終えて早速一風呂浴びたら、1階のバーを訪れます。こちらでは16:30〜18:30の時間帯でドリンクサービスが行われており、スパークリングワイン、ビールなどのアルコールから、県内産の徳佐のりんごジュース、萩のみかんジュースなどが取り揃えられています。
バーカウンターは水盤を借景にする形で、明るいうちからなんとも言えぬ幸福感を味わえますね。これもまた高級リゾートならではの愉しみ。
普通はここから夕食のところですが、今回は館内では頂きませんでした。音信にある日本料理「雲遊」だけでなく、本館側の鉄板焼き「萩」など、館内の食事処はいくつか選択肢があります。
音信側の大浴場は夜24:00まで。寝湯、露天風呂、岩盤浴などここだけでも相当なバリエーションです。脱衣所の洗面台にもひとしきりのアメニティは揃っていて、お部屋のものを全く使わなくて済むくらいです。
(ちょうど終了間際で貸切だったのでお写真失敬しました)
別邸音信と大谷山荘とは、1階・2階の通路で連絡されています。音信に泊まっていると大谷山荘の方の大浴場も入れるので、朝はそちらに行ってみました。こちらは露天風呂からリバービューが楽しめますが、当然音信に比べれば賑わっているのは致し方ありません。館内の温泉めぐりもなかなかのボリュームなので、1泊だと全部1回ずつでやっとという感じです。連泊で羽を伸ばせると最高ですね。
朝食は7:00以降で、日本料理「雲遊」で用意していただけます。この日は仕事の都合がありましたので一番の7:00でお願いしました。
和洋選べますが、当然旅館の朝は和食で。ジューシーなのどぐろの塩焼き、仙崎のかまぼこやイカの一夜干しなど、近海の幸がふんだんな朝餉です。土鍋で供される炊きたてのごはんも本当に美味しく、ついついお代わりしてしまいました。
およそ16時間のステイは、あっという間でもう出発です。ライブラリー、お庭など充実したパブリックを名残惜しく眺めながら、無情にも出発のときがやってきます。
聞きしにも過ぎて、山口県はおろか中四国地方でもなかなかお目にかかれない洗練されたハード、ソフトの施設でした。次はまた、二食付きで存分に堪能したいと思います!今度は新緑や紅葉など、季節を違えて「おとずれ」てみましょう。